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ときに女同士の話ー既卒組と・・・。無意識の話と絵画の話。

実は古文をやっている関係上?(これはかなり怪しいが・・・。)時折男女の話になる。

私が、自分から人を好きになった経験がない・・・。
よく考えてみると、誰かに好かれて、その想いに応える形でしか恋をしたことがないということに気づいた(これはもう何年か前になる。)と言うと、ある生徒に、

そうやよ。女の方から男を思うなんてない。男があれこれやり出して、だからそれに女が心を揺らされるんやよ。
と言われる始末。

昨日は、ある生徒と二人で英文解釈をした後で、

私って、誰も、心から愛して、ドッロドロな想いとかしないで一生を終わるのかしらん・・・。

などとこの年してこっ恥ずかしいことを言ってみたら(ついでに俵万智さんの歌などを引用しつつ・・・。)、分析上手な彼女はあれこれ分析してくれ出した。

英文解釈をした英文は、無意識の強さについて、精神分析家フロイト関係の話だったのである。

まあ、彼女にその英文の内容を何とか実感を持ってわかってほしかった面もある。

彼女が言うには、先生って、女としてかどうかわからないけど、モテたと思う。
と言い出したので、

ああ、例の女としては見れないけど友達としては・・・、っていうやつね!

と言ったら、

いや、女の人だし、友達よりは想いがあるんだけど・・・。

つまりは、女性としてみていいですか・・・?
という許可がいるらしい。

確かに、私が付き合った人って、自分がやってる分野の先に進んでいる、師、あるいは先輩的な人だけに限る。

まるで、上村松園や、ハイデガーの弟子で愛人ハンナ・アーレントのようではないか!?

いや、そんないいもんじゃないって!?

で、気づいたのである。

遠距離恋愛していたときも、思い立って雷鳥に乗ったときもあった。
でも、それって、仕事に息詰まったり、しんどくなった時で、別にどうしても会いたい、というような情熱的なものではなくて、いつも前には仕事や勉強があったような気がする。

ああ、どうか、神様、立場違いで、全く関係のない人をめちゃくちゃ好きになる、とかいう気持ちを教えてください!
道ならぬ恋、とかしてみたかった・・・?
いや、そんなんめちゃくちゃ面倒くさいって!

母にもかつて言われたことがある。

確かに、、あんたが職員室で、誰かに嫉妬して、キーッとなってる、なんてとこ想像できひんなあ・・・。

国文科出身だというのに、なんと不名誉なことか・・・?
式子内親王のように、私も命を掛けるような恋がしてみたかった・・・。

年齢的に、もう遅い?(笑)
いや、いるって、私の心をとろかせた男性。
いつも可愛い可愛い、そのまあるいお顔、と言っていたではないか・・・。
いやいやいや・・・。

で、件の彼女が言ったのである。

先生って、男性に、目の前に立つ許可が必要で、先生が開けた小さな穴を覗き込めた人だけが付き合えた、って感じがする・・・。

と言い出して、まあ、あなた、なんてうまい表現するのよ!と叫んでしまった。

てことは、お見合いしたのと同じじゃない。
いや、お見合い相手ほどにも自分の心なんて見せてない。

ということに気づいた。
心開いてないよなー。

あああ。

と言ってるけど、私が美女で、かつてモテたというような経験はありません。ハハハ・・・。

ただし、不思議なもので、ウフィツィ美術館にあって、かつて裁判所に飾られていたというボッティチェリ作の『剛毅』という絵が好きだから、いつか見に行きたいと思っているし、この絵の女性の、憂いに満ちた、正義感溢れる、毅然とした態度に私が惹かれるのはとてもよくわかる。
これは私の顕在意識的な目指す憧れの女性だろう。

しかし、もともと美術に精通している彼女に、それこそ無意識の話として、語った話・・・。

ある日、歯医者さんで、確か『家庭画報』だったと思う。
クリムトの「接吻」をモチーフにした、ポーセリンでできたのカップル像に、私は心惹かれてしまったのである。
もう、魂抜かれるほどに。
ものすごく高価なのに、そのあるところに電話してしまったほどの執心だった。

情熱と静謐、と表現されたその作品は、クリムトの絵のカップルより、私の心にぴったり来た。

その男性の、マントを掛けた広い肩に、女性へのピュアな愛が感じられて、そして、何より、その彼女の気持ちに共感してしまったのである。

うそうそうそ・・・。
そんなはずない。
なんで彼女の気持ちがわかるわけ・・・?

おかしい、おかしい、おかしい・・・。

これが無意識って、奴よ。

私の中に、きっとそういう部分があるんだろうね・・・。

と無意識について語ること数十分。
文学部に進みたい彼女は、これからも、今流行りの意識、無意識論に、出くわすことが、評論でも英文でもであるだろう。

彼女は、それよりも、答えに、力という抽象的なものを入れなければならないことに戸惑っていただけ、と言っていた。
でも、頭の回る彼女は意識と無意識の関係を考えだすと、ぐるぐる止まらなくなるという話だった。
これを、ここで止めとく、というところを決めていい、ということをお伝えしなければならない。

あらあら、いろんな方向からの話になってしまったなあ。

公開:2021/06/15 最終更新:2021/06/15
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