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お子様の受験勉強を支えるのに親御さんができることー徳を積むということ

今時流行らなさそうな考え方かもしれませんが、でも、あの林修先生も言っておられることなのですが、意外に受験勉強では徳を積む、という要素が重要です。

人徳、という言葉があるように、なぜかあの人になら着いて行こう・・・、と思わされるような人がおられます。
また、なぜかその人に頼めば何とかなることがわかるような・・・。

その見えない力をこそ徳、という言葉で表しているようです。

林修先生は、陰徳を積む・・・、つまりは誰も見ていないところで徳を積むことの大切さをおっしゃっています。
僕もやっています・・・。何をやっているかって?それを言ったら陰徳にならないから、言いませんが・・・、とのことです。(笑)

受験指導をして、合格だけを良しとするのはどうかとも思いますが、大学受験は人生を左右するほどの受験ですので、やはり、その合否を分析したり、直感的に、これは・・・、と思う機会が多いのも事実です。

ある年、もう指導を離れた生徒さんからの結果の知らせを待っていました。
なかなか連絡が来ない。
遅いときはだいたい不合格ということが多く、また、すぐに教えてくれるか、あるいは直接伝えに来てくれる、ということが多いものです。
そのどちらでもなく、私はドキドキしていました。

でも、どうしても、彼が予備校に行く様子が思い浮かばない。
予備校に行くこと自体悪いことでも何でもないけれど、とりあえず、現役で行く、という感じがしていました。
学部的には都会の予備校、というのも選択肢に入りそうな学部です。
でも、都会の予備校、というのもどうしてもない。

これは、あまり身内には使えない直感でもあったりします。
自分のことは心配しすぎてわからない、という直感の働きでもあります。
ある程度距離のある、客観視できる関係でないと、使えません。

夕方、電話がありました。
やはり合格でした。

彼はとにかく徳を積む生徒さんでした。
人のために余計に役立つことをするし、人に嫌な思いをさせないように、自分の身を切り刻むような神経の使い方をするのです。
一度などは、私がいただいたばかりの、私へのお菓子を、彼におすそ分けしようとして、人からもらったものを人にあげていいんですか・・・?と訊かれて、それは、同じ分野に進んだ人からのものだから、あなたへもバトンを渡せるように、と思ったのよ、と説明させられる始末。

そんだけ人を大事にするかー?と思わされたし、勉強できるのできないのでなんて、絶対に人を判断しない。
一言で言うと謙虚。いや、謙虚すぎる。

合格には理由があります。
もちろん不合格にも理由があります。
それを自分の人生の中でいかようにも意味を変えて生きていくのがそれぞれのその後の人生の歩みというものですが、それでも、例えば合格を一番いいことと仮定してみたとき、そこには目に見えぬ力があったと思わされるのです。

最近、あるお母さまが素敵なことを言ってくださいました。
親ができるのは、おいしいご飯を作って、日常の世話をして支えることくらいしかできないと思いますが・・・という言葉があり、そして、最近、徳を積む、ということを意識されたということをお伝えくださいました。お母さまの中学校の担任の先生も、「人の為になす」ということを教室の壁に貼り出しておられたのだそうです。

親御さんができることは徳を積むことくらい・・・?
とんでもない!
親御さんが徳を積めば、当然お子様にいいことがあります。

受験は競争です。
意外に人を蹴落とそうと思っている人は、周りに勝つことが難しいもので、共に、あるいは、周りも頑張ってるから自分も、というような、自分のためではあるものの、人に対してしていることというのは、思うよりもうまく行くことになるものです。

逆説的ですが、周りのことを考えると自分に返ってくるというようなもので、意外に受験の結果を考えるとき、納得するものがあるのも事実です。
徳を積む、ということは、意外に視野を広げる、ということなのかもしれません。

また、過程での模試の判定などは、所詮判定であって、結果に必ずしも直結ということでもありません。
結果が良くて、意欲になるのなら、それはそれで尊いことですが、模試の結果に左右されて、調子を崩すようでは本末転倒になります。

親御さんは、見守りつつ、ご自分のできることをされるのが一番いいと思います。
徳を積む、ということを最近、自分に課すことにしました。
櫻井先生にお伝えすることで、実践します、と言ってくださったことが嬉しくて、どこかで初任校で先輩から教えていただいたり、自分が体得してきたことをお伝えできているようで、本当に嬉しくなりました。

受験も競争です。
真に勝つことのできる人を育てて行きたいのです。
大物は誰よりも自分に勝てる人ですから。

公開:2022/08/14 最終更新:2022/08/14
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