卒業生との会話と信頼関係について
今日は、お向かいの高岡工芸高校の卒業式だった。
よく話をするU先生は、手塩に掛けて育てた卒業生。
初めて大学生バイトとして採用したけれど、自分で育てた一面があるので、信頼できる。
最近ではえらく深くものを考える学生さんに育ってきた。
あなた、文学部ですか?(笑)とジョークめかして聞いてみてしまった。
先日から卒業生との連絡が多い。
あれこれ用事があって、ふっと電話すると、結局いつの間にか卒業生の相談に乗っていることが多い。
この春、何をすればいいか・・・?という質問。
私は、たくさん本を読んでおくといい。それもクラシックな。
それから、美術館や博物館にも足を運んだ方がいい。
クラシック音楽に馴染んでおくのもいい。
いろんな教養は、その後の世界を広げるし、人との関りも広くなる。
理系の卒業生に話した後、ちょっとした用事で、国文科に進んだ卒業生と連絡を取る。
すると、彼女は、一年目の成績がよくて、なんと、特待生試験を受験できるらしい。
しかし、残りの試験がTOEICだということである。しかも10日後。
「本は買ったの?TOEIC用の・・・?」と訊くと、
「いえ、TOEIC用はまだ・・・。」ということで。、数十分後には二人で本屋さんで教材を選んでいた。
今、目の前で、TOEICの問題に取り組まされている彼女。
「一回いくらですか・・・?」と訊かれたとき、いったい何のことを言っているのかわからなかった。
受講料らしい。
こんな押しつけがましく本屋さんに連れて行って、勉強させているのに、受講料も何も・・・。
春休みには、教室で活躍していただく予定だし・・・。
目の前で、ときにバシバシやられている彼女。
私は、あなたが立派に国語の先生になってくれたら、それが嬉しい・・・。
大学の特待生になる試験を受験する資格をもらえたなんて・・・。
でも、こういう特別枠的な指導をするのには理由がある。
ご本人の努力と、親御さんのご理解。
彼女のお母さまが、お子様お二人をお預けくださっていたときの姿勢は、信頼してくださっている、と実感できるものだったし、彼女も、「私、いつも誰かに相談した後って、よく後悔するけど、先生にならそれがないんです。」とか、「先生は人の言ったことを曲解しないから・・・。」と言ってくれて、嬉しかったことがあった。
その彼女が、レベルの高い大学の国文科に進学が決まったとき、本当に嬉しかった。
もし、彼女が国語科の教員になったら、まるで子供や孫に、自分のしてきたことを遺せるようにな、そんな嬉しさがあるだろうと思っている。
教育って、信頼関係で成り立っている。
今は私塾だから、ビジネス面を強く見られてしまう面もあるかもしれない。
でも、たとえ、そこにお金が介在するものであっても、信頼関係がものを言う。
授業料分の仕事は絶対にする。
でも、講師に、それ以上の力を出させようとするのは、生徒さんや保護者の方の力の面もある。
理解される人のために、人はより働きたくなる。
人と人との関係は、当たり前のものではない。
誰にでも同じ親切ができるものではない。
誠実さには誠実さで返す、というものであるだろう。
教育とは、本来、目に見えないものを扱う仕事であり、その上にこそ教科指導が成り立つし、伸びもするのであると思う。
人の想いを受け止められないのはよくない。
チェリー・ブロッサムは、単に成績だけを伸ばすつもりの教室ではない。
と言いながら、先日から、成績が伸びているご報告が多いけれども。
国語で富山中部高校で14番、とか、国語は安定してきた、とか、数学の偏差値が上がった、とか・・・。
決して成績を後回しにする気はない。
けど、今、目の前で、難関大に進んで、可愛くなったお嬢さんを見ていると、どこかに受験の神様がいるような気がしてくるのである。
日ごろの行い?
努力。
信頼を裏切らない力。
意外に受験って、いろんなものを見せてくれる。